ほむらの家族5話 無力な自分
魔法少女まどか☆マギカ ~ほむらの家族~
【第四話 無力な自分】
わたしたちは三人で卓袱台を囲んでいた。
さっき部屋に戻ったほむらちゃんが気になってご飯が進まないよ。
まだ疲れてるのかな?
うんう……何かに気づいたみたいだった。
一体何に気付いたんだろう?
もしかしてお母さんたちのこと何かを思い出したのかな?
「ほむらは学校ではどうだい?」
優しそうな雰囲気がまるでパパのようだった。
「えっとほむらちゃんは頭もよくって、私はいつもお世話になってて」
「そうか…ほむらは頑張ってるんだな……」
嬉しそうな笑みには、どこか切ない色がみえて。
もしかしたらお父さんはほむらちゃんを一人にさせてしまったことを、後悔してるんじゃ?
てっきりお父さんも厳しいと思ってたのに……。
「実はほむらは、ここで暮らした時間より、おじいさんの家にいた時間の方が長いんだ」
「えっ……ほむらちゃんはおじいちゃんの家にいたってことですか?」
「まともにここで過ごしたのはあいつが小学校に上がってからの6年ぐらいか」
するとほむらちゃんのお母さんは途端に席を立ち、お茶を沸かし直すと言って部屋を出た。
「あいつも、昔のことはあまり思い出したくないんだろうな」
「その頃はユキも仕事をしていてほむらの面倒を見てやれなくってね」
「だから仕方なくあいつの実家に預けることにしたのさ」
「その時は俺もユキもほとんど、ほむらには構ってやれなかった。我ながらひどい親だったと思うよ」
「そうだったんですか……」
どうやらおじさんのほうは、昔のことを後悔しているように見えた。
ほむらちゃんがが両親の顔を忘れてしまった理由の一つは、過ごしてきた時間の長さによるものかもしれない。
生まれた時からずっと一緒に暮らしてきたのわたしには考えられない。
幼い時に同じ時間を過ごせなかったことがたたって今のほむらちゃんを苦しめているなら、それはとても悲しい。
「だとしたら、なおさらほむらちゃんと一緒に暮らした方がいいんじゃ……」
こんなこと他人のわたしが口をはさむべきことではないのかもしれない。
だけど家族は一緒に暮らすものだ。
二度と会えなくなることだってあるんだから……。
「あら、そんなことをしたらほむらとまどかちゃんは離れ離れになってしまうじゃない。困るのはまどかちゃんじゃないの?」
急須を持ちながら現れた。
意地悪そうにわたしを見て笑っている。
そうか、ほむらちゃんが家に帰ると、わたしは一人になっちゃうんだ……。
そうしたらわたしは……
でも今はそんなこと言ってる場合じゃない。
「お母さんたちはほむらちゃんのこと、心配じゃないんですか?」
敏和はまどかに真摯な目を向けた。
「まどかちゃん。まどかちゃんにはまどかちゃんがほむらを大切に思う気持ちがあるように、俺たちもほむらのことが大切で仕方がない。それだけはわかってほしい。むやみやたらにあの子を放りだしたわけじゃないんだ」
それを言われると何も言えなくなってしまう。
ついほむらちゃんのことで感情的になってしまったけど、二人なりに考えがあったのかもしれない。
事情は昼間おばさんから聞いているけど、実際のところよくわからないし、わたしが出る幕じゃないのかな。
ほむらちゃんは、この家で暮らすことを望んでいるのかな。
お父さんと再会したときは嬉しそうだったけれど、どうなんだろう。
聞いてみないとわからないけど、家族と暮らしたい気持ちだってどこかにあるんじゃ。
もしほむらちゃんが「帰りたい」って言ったら、その時わたしはどんな言葉をかければいいんだろう。
――ほむらちゃん。
隣の空席をみやる。
「ほむらのこと気になる?」
おばさんが微笑みながらこちらを見ていることに気づいた。
「行ってあげなさい。二人の分は冷蔵庫に閉まっておくから。あとで温めて食べるといいわ」
こんなこと言うと失礼だけど、わたしは初めて母親らしい顔をみたような気がした。
その顔を見て、ちょっと安心した。
食事中の席を立つのは失礼な気がして戸惑ったけど、おじさんの顔を見ると頷いてくれた。
軽く会釈をすると、二階へと向かう。
悪い人には見えないのに……。
どうしてほむらちゃんと離れて暮らしてるんだろう。
わたしが想像もつかない理由が、あるような気がしていた。
ほむらちゃんは部屋の机の上でうつぶせになっていた。
扉を開けると、慌てたようにこちらを見た。
「まどか?」
「どこか調子が悪いの? ほむらちゃん?」
「そうみたいね。母があんな人だからどうも頭がいたくて」
「そっか」
多分それだけじゃないんだろうけど、わたしは深く追求しないことにした。
ほむらちゃんにも言いづらいことはあるだろう。
「お父さん素敵な人だったね。お母さんも素敵な人だと思うけど」
「父のことは少しに思い出せたわ。祖父の家に引き取られていた時、父が迎えに来てくれたの」
そうなんだと相槌をうつ。
さっきの話は本当だったんだ。
ちっちゃい時は二人とも忙しくて、ほむらちゃんと過ごす時間がなかったのかな?
中学校に上がってからほむらちゃんが一人暮らしをしてたことと関係があるのかもしれない。
寂しくなかったのかな?
「父はよくわたしと遊んでくれた……。身体の面で不安を抱えていたから、あまり遠くには行けなかったけど」
「ソリで滑ったり……そんなことをしてた」
「そうなんだ……」
けれど懐かしい思い出を楽しく語るような雰囲気ではなかった。
多分、もう一人のことを気にしてるんだと思う。
「お母さんのことは思い出せないの?」
そうね。と寂しげな返事。
「もしかしたら本当の母でないのかもしれないわね」
背後から消え入るような声が聞こえた。
「そんなっ! だってほむらちゃんにあんなにそっくりなんだよ。それに、ちゃんとほむらちゃんのことを考えている」
「どうかしら……まどかは本当にそう思う?」
うなずこうとすると首を、おばさんの言葉が押し留めた。
『帰ってくるなって言ったからよ』
もし、わたしがママにそんなことを言われたら……。
そう思うと息ができないぐらい苦しくって。
そんな痛みを、ほむらちゃんは味わったんだ。
おばさんは、どんな経験をほむらちゃんにさせたかったの?
わたしにはわからないよ……。
「ごめんなさい。つい甘えてしまったわ。でもそんな顔しないで。あなたのそんな顔をみたくない」
自分だってこんな申し訳なさそうなほむらを見ていたくなかった。
「ほむらちゃん……」
ほむらちゃんは、きっと否定してほしかったんだ。
馬鹿なことを考えるのはやめようって、わたしに言ってもらいたかったんだと思う。
それなのに、わたしったら……。
それでもほむらちゃんは、わたしに笑顔をみせてくれた。
「私は大丈夫だから……」
『無理しないでよ』と、喉まで言葉が出かかった。
自分の笑顔が見たいんだと言わんばかりに笑いかけるほむらちゃんを見て切なくなった。
だからほむらの手を取り、ぎゅっと抱きしめたくて。
手を伸ばして……。
「あれ?」
わたしは空気を掴んでいた。
既にほむらは部屋の中にはいなかった。
「ほむらちゃん、どうしたの?」
カシッというふすまを閉じる音が聞こえた。
「なにか温かいものを持ってくるから」
何か温かいものを持ってくるという声が奥から届いた。
いきなりだなぁ。
ていうか……。
私、なんかほむらちゃんに避けられてない?
雪山に登ったときもそうだった。
急に手を握ったら、山を降りだして。
あれはまるで……
わたしから逃げているみたいで。
またため息が漏れた。
気のせいだよね。
ママみたいに優しい言葉を投げかけることもできない。
父のようにおいしい手料理で満足させることもできない。
何の力もないわたし。
あまりにも無力すぎる。
ラテ・ラピクさん 作
とにかく強くなりたい。
守られるばかりではなく、ほむらちゃんを守れるわたしになりたい。
「自分の家族になって欲しい、そばにいるだけでいいから」とほむらちゃんは言ってくれた。
本当にそれだけでいいの?
――もっとほむらちゃんのことをわかってあげたい。
わたしに振り回されてが彼女を繰り返し苦しめてきたことを知っている。
こんどこそわたしは……変わらなくちゃ!
とても丁寧な対応をして頂きました。
こちらのムリも聞いて頂いて
気持ち良い取引ができましました。
ありがとうございました。
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